谷田です。前回は,谷田がダブルライセンスを思い立った経緯等について書かせて頂きました。(前回のコラムはこちら)
http://www.lawyer-miyazaki.jp/201412153092.php
今回はその続きを書かせて頂こうかと思います。
「①会社経営の理解が深まり,かつ②他の弁護士に真似されにくい資格」を探した結果,「中小企業診断士」の資格を取得するのがいいのでは,という結論に達しました。
①の点についてですが,会社経営に関連する学習範囲がとても広く,しかも「弁護士も知っておいた方がいいのに,微妙に知らないこと」がたくさん含まれている点に注目しました。試験科目については次回以降ご説明しますが,弁護士が勉強しておいて損のないものばかりです。
②については,①とも少し重複しますが「取得するのが結構大変な資格」であることが逆に気に入りました。弁護士は,他のいくつかの士業の資格が自動的に得られる(法律上明記されているのは,弁理士・税理士・行政書士・社会保険労務士,判例上認められているのは司法書士)のですが,中小企業診断士資格は弁護士であるからといって自動的に得られるわけでなく,資格を取得するのにそれなりの勉強量が要求されます。
「なんでそんな手間のかかる資格を取ろうとするの?」と言われそうですが,他の弁護士に真似されにくいという意味ではむしろメリットです。
とまあ,そんな感じで,平成25年9月くらいに中小企業診断士試験の受験を思い立ったのです。この頃,中小企業診断士の試験制度について調べていくうちに分かったことはだいたい次のようなものでした。
1,毎年8月にマーク式の1次試験,10月に論述式の2次試験,12月に面接による口述試験が実施される。
1次試験の合格率は2割くらい,2次試験の合格率は2割~2割5分くらい,口述試験はほぼ全員受かる。
1次試験の合格は,翌年だけ持ち越せる。最終合格の割合は全受験者の5~6%くらい。
(「1次試験合格の資格持越し」以外は旧司法試験に似ています。)
2,1次試験の科目は,「企業経営理論」「財務・会計」「経済学」「運営管理」「経営情報システム」「経営法務」「中小企業政策」の7科目。全科目の合計点が6割を超えていれば合格。
3,2次試験は合計4科目。各科目とも,とある企業の2~3頁程の説明・紹介を読んで,その企業に対してどういう助言をするのか等を論述するというもの。何を書いたら合格するのかイマイチ分からないまま受かっていく人が多い。(これも旧司法試験に似ています・・・。)
4,口述試験は,とりあえず何か喋れれば大丈夫。(旧司法試験は,口述試験で1割くらい落とされていたことと比べると,やや心優しい試験かと)
試験制度がこういうものだと分かったところで,早速勉強を開始しました。次回は,試験勉強がどのようなものだったかについて書こうと思います。