弁護士法人みやざきは、それぞれ得意分野を持った弁護士が連携して紛争解決にあたる法律事務所です。

弁護士費用は怖い?

2014年07月25日

1,谷田です。今回は,よく誤解されているであろう「弁護士費用」について,とりとめのない話をさせて頂こうかと思います。当弁護士法人のHPに書いてあることとも重複しますが,結構大事なことなので・・・。

2,最近終結した訴訟案件で「もう4年くらい早めに依頼して下されば,もっとスムーズに訴訟対応ができたんだけどなあ」と思うようなものがありました。結局その事件については勝訴判決をもらえたため,特に問題はなかったのですが,どうしてこんな長期間トラブルを放っていたのか気になったので依頼者の方に尋ねてみました。それに対する答えが,「弁護士に裁判を頼んだりしたら,家がつぶれるくらいお金を取られると聞いていたのでなかなか相談できなかった。」「弁護士費用がこんな平凡な金額と知っていたら,もっと早く頼んでいたんだけど。」というものでした。
    昔と違い,法律事務所はHPの中で弁護士費用についても説明しているところが多いので,弁護士費用の相場は世間に浸透してきたように見受けられますが,それでもまだまだ弁護士費用については誤解を受けているところが多いなあと感じました。

3,そこで,弁護士費用とか,弁護士に事件を委任することについて,誤解を解くためにざっくりとした説明をすると,大体以下のような感じになります。

(1) 最初に相談をするだけなら,相談料だけで済みます。相談料は事務所にもよりますが,大体30分5000円(税別)。相談にあたった弁護士が気に入らなかったり,勝訴の見通しを聞いて気が乗らなかったら,正式に事件を依頼しなくても構いません。「うーん,ちょっと家族と相談します。」とでも言って引き取れば,相談担当弁護士はそれ以上追っかけてきません。
      事務所によっては,事件分野に応じて相談料を無料としているところが多いです。(当弁護士法人では,交通事故被害者の方の相談は無料としています。)

(2) 正式に弁護士に事件を依頼する場合,相談を一通り終えた後で,その弁護士と「委任契約」を締結します。
      委任契約の中で,
  「弁護士がどこまでやって,どこからやらないのか(交渉だけなのか,裁判までやるのか,等)」
  「最初にかかる弁護士費用(着手金といいます)は何円なのか」
  「事件が終わった後弁護士に払う報酬(成功報酬といいます)はどのようにして決まるのか」
  「裁判に必要な手続費用とか郵便代に充てるため弁護士に預けるお金(預り金といいます)は何円なのか」
      などについて取り決めます。そして,これらのことが決まったら,「委任契約書」というものを2通作り,弁護士と依頼者の方が1通ずつ持ち合います。
      もちろん,弁護士が提案する委任契約の内容について納得がいかなければ,その弁護士と契約する必要はありません。「うーん,ちょっと財布が厳しいのでやめときます」とでも言って引き取れば(以下略)

(3) 弁護士は,基本的に委任契約書に書いてある以上のお金は請求しません。
      弁護士がかけた時間で弁護士費用を決める契約(タイムチャージ制といいます)でもない限り,裁判がいくら長引こうが弁護士費用が膨らんでいくことはありません。
      もちろん,最初の委任契約に含まれていない仕事へと移っていく場合は,別途費用が掛かることがあります。例えば,最初の委任契約の仕事内容が「地方裁判所での訴訟」となっている場合に,地方裁判所での判決に納得がいかず高裁へ控訴するときは,別途「高裁の訴訟代理のための委任契約」を締結して頂き,追加で着手金を頂くこともあります。ただ,それも最初の委任契約を締結する時点ではっきりしていることです。

      といったところでしょうか。
      特に,(3)については誤解が多いようで,裁判が長引けば長引くほど,どんどん弁護士費用を請求されてしまう,と思っておられる方が多いようです。

4,以上のように,予想外の弁護士費用を請求されるというシーンは,実はほとんどないのです。
    それでも市民の皆さんが弁護士費用について漠然とした不安を抱いてしまうのは,やはり「弁護士に実際に事件の説明をしてからでないと,弁護士費用が決まらない」ということにあるのではないかと思います。「事件ごとにあらかじめ弁護士費用をきっちり決めて,ホームページに書いておいてくれれば安心して弁護士に相談できるのに。」と思われる方は多いのではないでしょうか。
    ですが,これは弁護士業務の特殊性ということで,市民の皆さんのご理解を頂きたいところです。事件処理の方向・負担がある程度見通せる分野(多重債務問題など)であれば決まった料金表を提示できるのですが,そうでない分野は事件ごとに様々な「顔」を持っています。それこそ,弁護士が内容証明郵便を一本出せば終わる事件から,何年も裁判をして,証人を何人も尋問する必要のある事件まで様々です。これらの事件を一律同じ料金としてしまっては,むしろ依頼者の方々の間で不公平が生じてしまいます。そのため,事件の内容をじっくり聞いてからでないと,弁護士費用の設定ができないのです。

 当弁護士法人でも,できる限り弁護士費用のイメージを持っていただくため,以下のような具体例を引きながら説明に務めているのですが,あくまで参考程度のものでしかありません。
http://www.lawyer-miyazaki.jp/legal-fee.php
 これは,別に費用体系を曖昧にしてやろうというわけではなく,弁護士業務の特殊性からくる限界によるものなのです。

5,だいぶ長くなってしまったので,今回のコラムのまとめに入りますと,
  「弁護士費用というのは,事件の内容についてご説明を頂かないと決まらない」
  「でも,いったん事件の内容についてご説明を頂ければ,どういう名目で何円かかるかはっきり分かった上で,契約するかどうかを決められる」
  「なので,法律のトラブルに巻き込まれたら,怖がらずに弁護士の相談を受けましょう。」
  ってことです。
 
    委任契約の内容について少しでも気になることや分からないことがあったら,きちんと弁護士に説明を求めて,納得した上で契約するかどうかを決めて頂ければと思います。
    弁護士としても,依頼者の方と後になってお金で揉めるのは残念なことですので,事前に色々質問をしておいてもらった方が逆に安心できるというものです。

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