ネットで情報収集
谷田です。今回は,インターネットで情報を仕入れることの怖さについてお話ししようと思います。あちこちでさんざん言われているテーマではありますが,特に弁護士から見て「おっかないなあ」と思うことが多いので,あえて触れる次第です。
インターネットの便利さは,今さら言うまでもありません。検索エンジンで調べたいことに関係のあるキーワードを打ち込むだけで,調べたいことがズラッと表示されます。文字の記事だけでなく画像検索や地図検索までできるので,弁護士業務でも便利に活用させてもらっています。
他方で,発言者や執筆者が明記されていない記事も多く,その内容の信用性は自己責任で判断しないといけない・・・と,まあここまではよく言われていることです。
ただ,最近は発言者・執筆者が明記されていても,その内容の信用性が保証されていないこともあり,恐ろしいことこの上ありません。
例えば,「実在の弁護士が回答してくれる」ということを売りにしている某質問サイトがあるのですが,そこの弁護士による回答で「なんじゃそら!?」というような珍解答をよく見かけます。大半は笑って流せるような回答なのですが,中には「その回答をうのみにしたら実際に大損害が生じる」ような深刻なものも見受けられました。(さすがにサイト運営側もまずいと思ったのか,その回答はすぐに削除されていましたが)
裁判所や国税庁などのサイトであれば,その信用性は保証されていますので,情報源として安心して使えます。(実際に,私自身も税金関係の疑問について国税庁のサイトを参照することが多いです。)しかし,そうでない場合は,「自分が十分知っている事項の確認」くらいにしか使えませんし,使うべきではありません。
人間というのは悲しいことに,「信用できる情報」ではなく「自分にとって都合のいい情報」をつまみ食いしたがるところがあります。
多くの人が多くの情報に触れることができるようになっている現在,情報収集にあたっては,情報の信用性に気を遣わないといけないなあと感じた次第です。