川添です。
今回は弁護士が抱えている仕事のうち、弁護士会の委員会活動に関することを少し書いてみます。
弁護士の仕事というのは、紛争(民事・刑事)の当事者(要するにトラブルを抱えた人。トラブルを回避しようとして早めに弁護士に相談する人もいます)から依頼を受けて裁判をしたり交渉をしたりするのが一般的です。
ほかには、破産管財人や成年後見人といった裁判所から依頼される財産管理的な仕事もあります。
お金がない人のための刑事弁護は法テラスから回ってきます。
これらの仕事は、弁護士が一個人事業者として日々生活するためのお金を稼ぐための仕事(仮に「本業」といいます)です。
弁護士という資格は、日本国憲法にも登場する数少ないものです。
そのような弁護士には、弁護士法上も「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」という崇高な使命を課されています。
日本の弁護士はすべて弁護士会に強制加入させられていますが、その崇高な使命を少しでも実現しようと弁護士会は多種多様な委員会なるものを設置しています。
そういった委員会に参加し、人権擁護・社会正義の実現の一角を担う"仕事”が本業以外にもあるわけです。
委員会活動と呼ばれるこの種の仕事は、基本的に報酬がないためボランティアとなります。
現在は弁護士養成制度が変わってしまいましたが、10年も昔に国費で弁護士となるための養成をしてもらった身としては、恩返しの意味も込めて委員会活動にも参加を続けています。
ちなみに、これまで私が加入してきた委員会には…
日本弁護士連合会(日弁連)のものとしては
公害対策・環境保全委員会
業務改革委員会
公設事務所・法律相談センター委員会
経済的基盤調査会議
九州弁護士会連合会(九弁連)のものとしては
刑事弁護連絡協議会
法教育に関する連絡協議会
主任兼広報委員会
業務対策委員会
宮崎県弁護士会のものはありとあらゆるものを担当してきました。
人権擁護委員会・公害対策委員会・刑事弁護委員会・司法修習委員会・犯罪被害者支援委員会
業務改革委員会・法律相談センター運営委員会・国際委員会・会報編纂委員会
公設事務所支援委員会・倒産法協議会・口蹄疫対策本部・弁護士協同組合など
どの委員会も1~2か月に1回くらいの頻度で委員会が開催されるので、都合のつく限りは出席していました。
このうち、日弁連の公害対策・環境保全委員会では兵庫県武庫川の現地調査に赴いて日弁連の意見書を作成したり、業務改革委員会では参加者1000人ほどを集める2度のシンポジウムで分科会の実行部隊として報告を担当したりもしました。
宮崎県弁護士会の委員会では同時に複数の委員長職を務めたこともあって、あのころはどちらが本業かわからないくらいの忙しさでした。
現在では宮崎県内の弁護士もかなり増えてきたこともあって(10年前の2倍を超えました)、委員会活動の負担が減ってきたのはうれしい限りです。
11月8日には神戸で業務改革シンポジウムが開催されます。
過去2回は主催者側でバタバタと準備をしてきたシンポジウムです。
今回は初めて、業務改革委員会の研究等の結果をただ聞きに行くだけの気楽な立場での参加です。
今年はこれまでゴールデンウィークや夏休みを取らずにここまで来たので、業務改革シンポジウムにあわせて本業はお休みして神戸まで行ってきます。
多少は旅行じみたイベントも含まれていますが、これも"仕事”ということで出張してきます^^;;
次回のこのブログの執筆担当となったときは、その"仕事”の成果を発表する予定です。