谷田です。前回は,中小企業診断士試験の概要について書かせて頂きました。今回は,試験科目がどういったものだったのかについて触れたいと思います。
前回お話した通り,1次試験は「企業経営理論」「財務・会計」「経済学」「運営管理」「経営情報システム」「経営法務」「中小企業政策」の7科目から成っており,全科目ともマークシート式で実施されます。
各科目の取扱い分野をざっと並べますと・・・
「企業経営理論」会社の対外的経営戦略,人事労務等の組織戦略。
「財務・会計」財務状況の分析や簿記,投資採算性の判断
「経済学」需供の関係といったミクロ経済,貨幣市場・財市場の関係といったマクロ経済
「運営管理」生産ラインの効率的な運営や,店舗運営にあたっての注意点
「経営情報システム」企業が活用できるITインフラ
「経営法務」一般的な民事法,会社法,知的財産権
「中小企業政策」中小企業に関する統計,中小企業を支援する制度
といった感じです。
経済学だけはかなりアカデミックといいますか・・・弁護士実務にはあまり関係ないかなという印象を受けましたが,その他の科目は弁護士実務と密接に関連していることが実感できて楽しく勉強できました。
例えば,「企業経営理論」を勉強していると「無関連多角化のリスク」というテーマが出てくるのですが,これについては「ああ,あの破たんした会社は,本業と全然関係ない流行を追っかけて失敗していたなあ」などと思ったり・・・他にも「特定の取引先に依存することの危険性」といったテーマでは「ああ,あの会社は一つの会社からの受注に頼りきっていたらはしごを外されてえらい目に合っていたなあ」と感じたり・・・。まさに「あるある」の連発です。そういう意味では,他の受験生より勉強しやすかったと思います。
また,この科目には「無形のサービスを提供するにあたっての注意」というテーマも出てくるのですが,これは弁護士自身の業務展開に直接役立つものです。(弁護士業務は,「無形のサービス」の最たるものですしね)谷田としては,これまで今一つ理解されにくかった弁護士業務を少しでもわかりやすいものとするよう心掛けて情報発信していくつもりですが,それはこの「無形のサービスを提供するにあたっての注意」がきっかけになっています。
次回は,「財務・会計」を中心に触れてみたいと思います。