マイルについて
加藤です。ゴールデンウィーク後半に向けてお出かけの予定をたてられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。私は旅行好きなので暇さえあれば,マイル(航空会社の搭乗距離に応じて無料航空券に使えるポイントを付与するプログラム)の稼ぎ方,使い道について調べています。
まず稼ぎ方について
私の場合,日常的には国内線を利用する他に,クレジットカードで貯めるのが中心になります。
クレジットカードでマイル貯める場合,よくカード会社が,新規入会キャンペーンとしてボーナスマイルを付与する客引きやっているので,そちらでボーナスマイルを数万マイル頂き,2年目の年会費が徴収される前に退会してしまうという,信販会社に嫌われそうなおつきあいをさせていただくこともしばしばです。
それでも,行きたいところに行くためのマイルが不足する場合,最終手段としてマイルを購入することになります。というのも日系以外の主要航空会社では,足りないマイルを年数万マイルまで,直接,航空会社のサイトからクレジットカードで購入することができるのです。
しかも,特にアメリカ系の航空会社が,決算期前?になると,各社バイマイルキャンペーンというのをやっていて,最大通常の4割引ぐらいでマイルを購入することができます。どうしても日系航空会社(JAL,ANA)のマイルを購入したい場合は,スターウッドというホテルチェーンのポイントを購入し,これをJALやANAのマイルに交換する裏技もあります。
具体的に旅行の日程が決まっているならば,不足するマイルを購入するのも極めて合理的な方法です。
使い方について
まず,特典航空券用の座席は,枠が決まっており,通常の有償座席よりも遥かに取りにくいです。そのため旅程を決めたら即予約するのが鉄則です。だいたい国際線だと330日くらい前から手配することができます。
また,航空会社により,それぞれの目的地に行くために必要なマイルは各社異なっています。たとえばJALやANAだと距離制ですが,アメリカのユナイテッドやデルタだと,もう少し大雑把にゾーン制(例えば,東アジア地域とかヨーロッパ地域)となっています。
ここでも,自分がどこに行きたいのか目標を立て,それにあわせて必要なマイルの少ない航空会社のマイルを貯めるのがベストとなります。
それから,できれば特典航空券として使おうとしている区間の航空券を,現金で購入する場合,いったいいくらになるのか,航空会社のHPで調べてから,実際にマイルを使うとよいと思います。私の場合1マイル4円以下でマイルを使うのは勿体ないのでしません。1マイル当たりの価値が,使う路線やクラスによって大幅に違うところも,マイル制度に深みを与えているところではないかと思います。
お薦め
私個人は,アメリカのユナイテッド航空のマイルとJALのマイルを中心に貯めています。
どうしてユナイテッドが良いかというと,まず提携するクレジットカードでのショッピングにより1000円で15マイル貯まるからです(通常はせいぜい10マイル)。またユナイテッドはスターアライアンスというグループに入っているのですが,特典航空券を利用する際に,基本的にサーチャージ(国際線で,運賃とは別に徴収される燃料費)がかからないのです(ただし今後の状勢は流動的です)。またANAも同じスターアライアンスに入っており,ユナイテッドのマイルでANAの特典航空券を発券することもできます。
留意点
あくまでマイルは,各航空会社が「特典」として付与しているものに過ぎず,その内容を各航空会社が一方的に廃止,変更をすることができると規約に記載されています。
かつて米国の旧ノースウエスト航空がデルタ航空に合併された際に,実際に必要なマイルが,かなり引き上げられるということがありました。
日本の裁判でも,マイルを使って旅行代金を決済した後(注:このケースはマイルを直接利用して航空券を発券した場合ではないようです)に,消費者が旅行契約の取消をした場合,既に消費したマイルを返還しない旨の条項が消費者契約法に反しないか争われた事案(神戸地裁平成22年12月8日判決)では,同条項が旅行契約の内容になっているとは認められないとして,請求を棄却されています。
少し難しい話になってしまいましたが,要するにマイルは現金とは異なり,あくまで「特典」に過ぎないので,現金と同様な法的保護は与えられないものだと思っておいた方がよさそうです。
以 上