加藤です。
巷では脳科学の本が溢れていますが,皆さんは自身の脳の特性について考えたことがありますか?
僕の場合は,同業者に比べ集中力がそれほど劣っているとも思えないのですが,何せ持久力が低いです。
司法試験の受験生時代も1日当たりの勉強時間が,周囲が10時間以上当たり前という環境の中で,自分は6時間集中できればよい方でした。
それから,これは皆さんも同じだと思いますが,同じ作業ばかりしていると,どうしても意識が散漫になってきてしまいます。これは脳の中で使っている部分が同じであることに起因するものです。
そこで最近,心がけていることは,こまめに仕事の内容を変えるということです。
自分の脳が「飽きてきた」という信号を出す前に,別の仕事に意識的に取り組むようにしています。
また,僕は大学受験のとき,俗に言う「単語カード」はいちいちめくるのが面倒くさいので,
ノートの前頁に日本語を,次頁に英単語を,対応する番号を付けて1頁あたり70単語羅列し,覚えていないところだけチェックをするという作業を繰り返していました。
いろいろ試して見た結果,これが自分には一番,記憶効率がよいようなので,最近,法律関係の本で,仕事上暗記しておいた方がよい,最小単位の情報を,英単語式にノートに並べて一定周期(忘れる頃)で確認するようにしています。膨大な情報の中から,記憶の対象となる最小単位を
絞り込む中で,何が事の本質なのか思考することが,記憶の定着を図るためのコツです。
これも,小難しい法律の本を漫然と読んでいてもすぐに眠くなってしまうという,自分の脳のだめな部分を直視した上での苦肉の対応となっております。
よくこの仕事をしていると,「司法試験には六法全書を丸暗記する必要があったんでしょ?」とか俗人離れした人種扱いをされることがあります。
しかし,実際には六法全書を丸暗記すれば受かる試験でもないですし,その必要もありません。
これは試験勉強に限らないのですが,人が合理的な意思決定をする際に重要なのは,自分の脳が冴えているときと冴えていないときの差を,客観的に見るための心の余裕を持つことなのかもしれません。
そうすればいろいろな対策を自分で工夫してみることもできますし,案外工夫する過程自体が面白いものですよ。